博士以前

人間です

文献管理とノート整理に Zotero が最適だった

仕事(?)柄常日頃多くの論文を読んだり、たくさんノートをとったりしている。 最近は紙でノートを取るのをやめてソニーのデジタルペーパーに移行した。 いつでもどこでも自分の昔やった計算にアクセスできて便利である。特に出張にどのノートを持って行こうかと悩むことがなくなったのは大きい。 自費で買うのは少し高いが研究費等で購入できる人にはオススメ。

ソニー デジタルペーパー dpt-rp1

ソニー デジタルペーパー dpt-rp1

文献やノートの数が多くなってくると必然的にその管理方法が問題になる。 論文に関してはフリーの spires.app https://member.ipmu.jp/yuji.tachikawa/spires/ を使っていた。これは INSPIRE (高エネルギー物理の論文データベース)を利用する人専用のアプリだが、軽量で arxiv の新着や BibTeX key の取得も簡単なので便利だった。 しかし最近は INSPIRE にない分野の論文もよく読むようになり、それらは適当にドロップボックスに入れていたので、管理が行き届かなくなってしまった。 またデジタルペーパーで取ったノートも同様にドロップボックスに投げていたが、こちらも文献と同じシステムで管理したいと思っていた。

そのような目的でいくつか有名どころの文献管理ソフトを調べて使ってみた結果 Zotero が僕の目的には最適だったので紹介というか使い方をメモしておく。

www.zotero.org

Zotero のメリットをいくつか挙げよう:

  • オープンソースであり、有志の作成したプラグインを使うことで機能拡張ができる。もちろん頑張れば自分でも作れる

  • ユーザー登録をすることで Zorero のサーバー上で文献リストを共有できる。複数端末で文献管理する人には必須。無料アカウントでは容量は少ないが、PDFは同期せず、文献データだけを共有するようにすれば問題にはならない

  • Firefox プラグインが存在する。これは論文以外にも参考になりそうな WEB ページ等をワンクリックで登録するのにも使えて便利

  • 後述する Zotfile というプラグインが便利。デジタルペーパーと連携させるのにとても役立つ

  • 軽い

もちろん同様な機能は他の文献管理ソフトにも存在するとは思うが、細かい部分が僕の使い方にあっていると感じた(あと基本的にフリーで拡張性が高いソフトウェアを僕が好むというのもある)。

Zorero の設定

基本的な使い方やアカウント作成方法等は本家のページ、もしくは日本語が良ければ「Zotero 使い方」でググれば大体わかると思う。 個人的にデフォルトから変えるべきだと思う設定は

  • [General] -> [File Handling] -> [Automatically take snapshots when creating items from web pages] のチェックを外す。いちいち余計なページ情報も付与されて邪魔なので

  • [Sync] -> [File Syncing] のチェックを全部外す。これは Zotero アカウントの容量に余裕のある人は使っても良いとは思う。僕は Zotero サーバーにファイルを入れるのをやめて(後述するように)自前のドロップボックスで共有している

くらいだろうか。

一つネックなのは Zotero の外部からファイルを参照するのが難しいということだ。 というのも、ローカルのデータベース管理には SQLite というソフトが使われているのだが、これが人間にとっては意味がわからない文字や数字によって文献名をつけてしまうからだ。 例えばZotero ソフト内で [Deep lerning] - [textbook] のように階層を定義して資料を管理していたとしても、実際の保存先のディレクトリ内ではその階層構造も崩れるし、どこに [Deep learning] の文献があるかも容易には確認できない。 僕は Zotero にさらにデジタルペーパーを連携させたいのだが、このように外から見たファイルの場所や名前がめちゃくちゃだと、単に Zotero の保存先とデジタルペーパーを同期させるだけでは快適な環境は作れない。 ということでこれを解消するために ZotFile というプラグインを使う。

Zotfile を使う

以下でプラグインをダウンロードして Zotero にインストールする。

ZotFile - Advanced PDF management for Zotero

  • [Tools] -> [ZotFile Preferences] -> [Location of Files] の [Custom Location] に保存先を設定する。僕の場合はドロップボックスの中に Zotero という名前のディレクトリを作成してそれを使った

  • [Use subfolder defined by] に /%c と書くことで、Zotero 内の Collection の階層と同じ構造を持ったディレクトリが作成される

設定のオプションなどは以下のブログが参考になる。

humosy.hatenablog.com

ただし、ここでドロップボックスを使ったファイル共有方法として紹介されている、「Zorero のデータベース情報を直接ドロップボックスにおく」というやり方はオススメしない([Advanced] -> [Files and Folders] の話)。 なぜなら複数端末で同時に Zotero を起動している場合に、データベース間の整合性が取れなくなって、登録したと思った文献がなくなっている等のトラブルが起きかねないからだ。 ここで書いたように、ZotFile の保存先のみをドロップボックスに設定して、データベース情報はあくまでローカルと公式のクラウド経由で管理するのが良いと思う。

デジタルペーパーと連携する

ここまでくるとデジタルペーパーと連携するのも簡単である。単にデジタルペーパーと、ドロップボックスに作った ZotFile 用のディレクトリを同期すれば良い。 デジタルペーパーは配下のPDFを勝手に探して、ディレクトリ構造を保ったまま同期してくれる。 しかもZotFile によって著者やタイトルをもとにリネームされているのでとても探しやすくもなっている。

Zotero は自分で書いた手書きのノートなども論文と同じレベルで管理してくれる。 僕の普段の使い方としては、研究プロジェクトごとに Zotero の Collection を作成する、そこに参考文献用の sub collection とノート用の sub collection を作成して管理するという風にやっている。